国民的タレントである関根勤が映画監督に挑んだ。

関根勤は2013年に生誕60年を迎え、芸能生活40周年。
合わせて100年!という「アニーバーサリーである特別な年に映画を作る!」という壮大な目標を掲げた。

本作「騒音」プロジェクトの本格的な始まりは、日活のCS番組「映画ちゃん」で“映画を作る過程を追う番組”という企画から始動した。
大の映画好きとしても知られている関根勤に最初に映画制作の話を持ち掛けた際には、既に具体的な内容の骨子となる「地底人が攻めてきて、地底人に免疫あるオヤジが戦う」という構想があったという。そして 、記念すべき100年に因んで、関根監督がこれまでに感動した様々なものから映画に100のオマージュを盛り込む。そんな思いも込めて映画は作られた。

映画の舞台は、開発地区の騒音に悩む東京都S 区。平和な街に、突如出現した謎の生物の正体は“ 地底人”だった。人々を襲う地底人に戦う術もなく、誰もが諦めかけたその時、地底人に免疫あるオヤジが現れた。彼らは果たしてS区の救世主となれるのか…。
地底人に対する人類の恐怖、近未来を感じさせるSF、地底人と戦うまでに鍛え抜かれるバイオレンス、真面目なのに全編どこかに垣間見えるコメディ、そして、、、さまざまな愛のかたち。一方で、開発地区のS区騒音問題は、現在の環境問題も反映されており、家族や社会から除者扱いされるオヤジたちの哀愁漂う姿は、日本のオヤジの象徴でもある。登場人物の皆がどこか非日常的なのにリアリティに溢れており、エドウッド作品的に低予算でありながら、出演やスタッフの映画愛(関根愛)が作品から滲み出す。それは、今の日本映画界では決して見ることができない、商業的なものに囚われずして挑んだ伸びやかな世界観は、まさに関根勤の頭の中を丸裸にしたようなものを体感する、欲張りすぎるほどの喜怒哀楽の宝庫でもある。

この記念すべき関根組の主演に選ばれたのは、温水洋一、村松利史、酒井敏也ら。S区の救世主(となるかもしれない)駄目オヤジを好演。関根監督が大好きな役者であり、企画の最初からこの3人主演のイメージがあったという。実はこの3人の役柄は、監督自身の家庭環境や人格、青春時代の経験などを投影しており、オヤジたちは関根勤の分身でもあるのだ。
ここに飯尾和樹や岩井ジョニ男が加わり、史上最大級に冴えない5人のオヤジたちが誕生した。
そして、温水演じる淡路の妻役にYOU。監督の実娘である関根麻里が長女役、その妹役に廣田あいか(私立恵比寿中学)が本物の家族であるかのような世界を構築。その他、キャイーンの天野ひろゆき、ウド鈴木、関根監督とこれが初対面であったという名俳優の渡辺哲。

監督自身からのオファーにあのタモリや明石家さんまも参加し、車だん吉や、監督の盟友である小堺一機、関根ワールドのファンであるという戸田恵子、そしてハリウッドでも活躍する千葉真一が加わり、5人のオヤジたちの周りに豪華すぎる布陣が集結した。さらに、全編の語りにベテランの山寺宏一が参加。主題歌にどぶろっくが映画のために書下ろした「テカる星屑達」(テイチクレコード)が作品のエンディングに余韻を与える。